2006年のアルゼンチンの経済動向
・政府は2006年12月14日、2006年第3四半期までの実質GDP成長率は 8.4%に達したと発表した。第3四半期のみでは前期比2.6%増、前年同期比8.7%増で、建設(17.6%)と製造業(9.2%)が牽引した。また第 3四半期は、政府支出が3.1%であった一方、個人消費支出は7.2%と高い伸びとなった。国内のエコノミストは2006年通年の成長率を8.4%、 2007年は7%と予測している。ミチェリ経済・生産相は、「雇用状況とインフレの改善には一層の投資が必要」とコメントした。
・2006 年10月、2004年にブラジルとの間で決まり、2006年6月に期限が切れたブラジル側の履物および一部家電製品(調理用レンジ、冷凍冷蔵庫、家庭用冷 蔵庫、全自動洗濯機)の自主的輸出規制について、ブラジル側は自由貿易の実現を主張するもアルゼンチンが了承せず、両国間で合意に達するまで自主規制が延 期されることとなった。
・2006 年8月1日、ホンダはブエノスアイレス州のフロレンシオ・バレラに二輪工場を開設した。南米ではブラジルのマナウスに次ぐ2拠点目(2007年よりペルー でも生産開始予定)。投資額は1億ドルで、2006年に1万5,000台、2007年には4万5,000台の生産を予定している。オープニングにはキルチ ネル大統領も参加した。
・2005年の経済成長は輸出と設備投資が牽引した。為替の過小評価と基礎的財政収支の黒字が持続的成長の基盤となっている。2006年1〜3月も8.6%の高成長となり、16四半期連続での前期比プラスを達成した。通年でも7%を超える成長が確実とみられている。
・アルゼンチン政府は2006年6月26日、ブラジル政府との二国間自動車協定に合意、署名した。新協定の期間は、2006年7月1日から2008年6月30日までの2年間で、この間均衡係数1.95が適用されることになった。
・ アルゼンチン自動車製造業者協会(Adefa)によると、2005年の自動車生産台数は前年比22.8%増となる31万9,755台であった。30万台突 破は、33万9,246台を記録した2000年以来。Adefaの2006年4月の発表によると、2006年第1四半期の生産台数は前年同期比1万 4,841台増(7万7,203台)、販売は同1万7,359台増(10万9,502台)となっている。
・2005年の実質GDPは、前年比9.2%増となり98年の水準を上回った。市場、ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLAC)などの見通しでは、2006年の成長率は7%台となる。
・ アルゼンチン政府は2006年2月1日、二国間セーフガード制度の創設を柱とするブラジルとの二国間交渉に合意、署名したと発表した。セーフガード制度の 創設は、2003年後半からアルゼンチン政府がブラジル政府に求めてきたもの。ブラジル産業界は本合意を批判している。
・ 国家統計・センサス局(INDEC)は2006年1月4日、2005年の大ブエノスアイレス圏の消費者物価上昇率(12月比)が12.3%に達したと発表 した。これは、2004年の6.1%と比べると2倍以上、2003年の3.7%と比べると3倍以上の水準で、政府見通しの上限10.5%を1.8%ポイン ト上回っている。
・ アルゼンチン政府は2006年1月3日、IMFに対する債務残高全額を一括事前返済した。これは、キルチネル大統領の2005年12月15日の発表を実施 に移したもの。ミチェリ経済・生産相は、これでアルゼンチンは経済政策の決断に求められる主体性を回復するとコメントした。
・ミチェリ経済・生産相は、2005年の経済成長率は8.5%を上回ると公言している。これが実現すれば、2003〜2005年の3年間の成長率は29%前後に達することになる。2006年は、製造業と内需の好調で、5〜6%程度の経済成長は達成可能との見方が強い。
・ キルチネル大統領は2005年12月15日、IMFに対する総額98億1,000万ドルの債務を2005年中に一括返済すると発表した。これは、2日前の ブラジル政府によるIMFへの155億ドルの債務事前返済の発表に呼応するもので、目的はアルゼンチンの経済政策へのIMFの干渉を排除して独立性を確立 することにある。
・2004年の対日貿易は、輸出が前年比3.8%増の3億5,686万ドル、輸入は自動車メーカーの設備投資、9.0%の高成長を受け54.7%増の6億1,216万ドルとなった。その結果、対日貿易赤字は約5倍増の2億5,530万ドルとなっている。
・政府は2005年6月23日、一部品目の輸入にあたり、通関時までに代金決済を行うことを義務付けた。外貨需要を高めることが目的。好調な輸出に支えられた状態を放置すればペソ高に振れる為替レートを、過小評価のまま安定させるという政府の意図がある。
・ 政府は2005年6月9日、外国借り入れの30%を1年間無利子で中央銀行に強制預託することを義務付けた。これは、投機目的の短期資金流入を規制ため。 他方、企業が設備投資資金や運転資金を外国から調達する場合にも、強制預託が義務付けられるため、民間部門から投資を阻害すると批判も寄せられた。政府 は、企業の主張を受けとめ、生産目的の外国借り入れには強制預託を適用しないよう制度改正を進めている。


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