ベトナム外国投資誘致の変遷
ベトナムは昨年、833件・総額78億3,800万ドルの新規外国直接投資(FDI)、486件・23億6,200万ドルの追加投資を誘致した。
2006年の実行投資総額は前年比24.2%増の41億ドル。新たに活動を開始した企業は250社増え、外資企業数は3,500社となった。売 上総額は294億ドル(前年比31.3%増)、輸出総額は145億ドル(前年比30.1%増、石油を含めると226億ドル)に上った。
2006年はFDI誘致のピークだった1997年を上回り、昨年末までで累計登録投資額は604億ドル、実行投資額が360億ドルとなった。
昨年の経済・社会の変化やFDIブームは、国民に自国の成長に対する期待を生み、世界各国からはその功績が高く評価された。
アジア開発銀行(ADB)ベトナム事務所Konishi Ayumi代表は、経済発展面でベトナムを「東南アジアの星」と評し、国際通貨基金(IMF)のRaghuram Rajan氏は、「第2の中国」として注目されていることを評価している。
FDIは1988~1990年の低迷期から1991~1997年に増加しピークを迎え、その後1998~2003年は減少期に入るが2004年に回復、2006年には登録投資額・追加投資・実行投資額のそれぞれで記録を塗り替えた。
ここ15年の国際社会におけるFDI急増が、途上国にとっては発展の好機となり、経済構造改革にもつながった。振り返ると、1991年以前は経 済目標を達成することはまれだった。だが1991~1995年には5カ年計画の目標を大きく超える成果を挙げ、1990年代、ベトナムは主にアジア地域か らの投資を誘致した。
1996年の外国投資法改正では、過去2回(1990年や1992年)の改正方針とは裏腹に、優遇策を削減し外国投資家の反感を買った。翌年7 月のアジア通貨危機で各国が多大な影響を受けるなか、ベトナムはその難を逃れ、投資誘致の好機が到来するかに見えたが、外国投資家の期待を裏切った外国投 資法改正でチャンスを逃し、経済成長や投資誘致ペースが急減した。
ここ数年投資環境改善を唱える政府は、公平なビジネス環境の整備を目指し法整備、行政改革を進め、積極的な投資促進活動を行った。投資の審査・許可・管理を地方に一任し、各地方の手続や投資環境改善に対する競争を生み出した。
世界貿易機関(WTO)加盟やアジア太平洋経済協力会議(APEC)の成功が、ベトナムの国際社会での新しい地位を築き上げ、8,400万の人口を抱えるベトナムは、高度経済成長により中所得者層が日々増加、消費市場が拡大しつつある。
経済成長の歩みを早めるために今後のFDI実行額は、今年の2.5倍となる100億ドルを目標とすべきだろう。
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