フォークランド紛争から25年、英紙がアルゼンチンの主張に同調
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戦争も時間も真実を変えられない。マルビーナスはアルゼンチンで、いつもそうだったし、いつでもそうだ。
アルゼンチンのホルヘ・シオリ副大統領は、南太平洋のフォークランド諸島(スペイン語のマルビーナス諸島)の領有権をめぐる英国とのフォークランド紛争開 戦から25周年を迎えた4月2日、同国最南端のウスアイアで開催された中央式典で力強く宣言した。そして、国際社会の呼びかけ応じてマルビーナス諸島の問 題解決のための交渉のテーブルに着くよう英国政府に訴えた。
フォークランド紛争は、時の軍事政権 (ガルティエリ大統領)が、経済混乱による国民の不満や軍政への批判の声をかわすため、国民の目を外に向けようとフォークランド諸島に侵攻したことに始ま り、アルゼンチンの敗北で終わった。アルゼンチン兵士649人、英国軍人255人の計900人以上の犠牲者を出した74日間の戦争だったが、紛争の原点は 19世紀に溯る。英国は、アルゼンチンの独立から23年経った1833年から、フォークランド諸島を占拠してずっと軍事的に実効支配を続けてきた。他方、 アルゼンチンはその領有権を強く主張しながらも、フォークランド紛争を引き起こしたことは”誤った政策”して批判・反省することは忘れていない。
アルゼンチン憲法(1994年制定)は、マルビナス諸島の回復は恒久的かつ放棄しえない目的と定めているが、英国の高級紙ザ・ガーディアンの著名なジャー リストであるリチャード・ゴット氏は、アルゼンチンの主張は正当でもっともなものとの論評を発表(4月2日)した。40年近く前に英国外交団と一緒に フォークランド諸島を訪問したという同氏は、19世紀の英国の植民地拡大政策の一環としてフォークランド諸島を侵略、占拠したもので、領有権はアルゼンチ ンに帰属すると明言し、フォークランド問題についていつか交渉のテーブルの場で議論しなければならないだろう、と記している。
アルゼンチンは南大西洋の共同石油開発協定を破棄
フォークランド紛争は、全米相互援助条約(リオ条約)に基づいてアルゼンチンを支持する米州諸国とアルゼンチンに制裁措置を採った欧州諸国との間で対立を 生み出し、また、米州機構のメンバーでありながら英国に加担した米国に対する不信感を域内諸国に持たせた。他方、紛争の結果としてアルゼンチンでは軍政に 終止符が打たれて民政化が実現し、”反米、第三世界との協調」路線をアルフォンシン政権(1983~89年)に採らせた。英国では、サッチャー首相の政治 的地盤がさらに強固になって国民に希望と勇気をもたらしたが、フォークランド紛争に力強くに立ち向かう”鉄の女”サッチャー首相の映画化が計画されている という報道が2週間ほど前にあった。
さて、アルゼンチンは、フォークランド紛争で断絶した英国と の国交を1990年に正常化させ、南大西洋における炭化水素の共同開発協定を1995年に結んだ。ところが、フォークランド紛争開戦25周年の1週間足ら ず前の3月末、アルゼンチン外務省は、この石油共同開発協定を破棄すると発表した。キルチネル政権(アルゼンチン)は、英国政府が一方的に石油開発許可を 企業に与えており、アルゼンチンにはメリットがないというのがその主な理由だ。年内に総選挙を控えているという事情もあるかもしれないが、キルチネル政権 は、フォークランド問題について、80年半ば以降の政権に較べると行動的だ。この点において英政府は、”アグレッシブ”と批判している。
ザ・ガーディアン紙のゴット記者は、アルゼンチン政府によるフォークランド諸島の領有権主張はセリビアがコソボにクレームを付けているようなものとの例を引き合いに出したが、日本的に考えると、スケールは小さいけれど竹島問題かもしれない。[石河照大]
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