2007年4月10日火曜日

アルゼンチンの「連帯経済」

→参考できる色々な投資信託を紹介する情報

市場経済の恩恵にあずかれず、「小さな政府」をめざす「改革」による公共サービスの縮小もあって、厳しい暮らしが続く人々が日本でも増えています。90年代に同様な改革の波を受けたアルゼンチンには、そんな人々が元気に生きのびるための「連帯経済」の試みがあります。

●雇用維持へ賃金は一律

ブエノスアイレスのチョコレート工場「ヘルコ」に弁護士ルイス・カーロさん(44)が姿をみせると、従業員が次々に歩み寄り、抱き合う。

 「彼はわれわれの救世主。出会わなかったらみんな失業していたから」

 パソコンでコストを管理するルベン・ゴーメスさん(46)は感慨深げだ。もとは同じ工場の夜間清掃担当だったが、02年から猛勉強して経理を覚えた。「オーナーの一人」の責任感からだ。

 ここは「回復工場」と呼ばれる。倒産で閉鎖した工場に労働者が乗り込み、協同組合方式で再稼働。約45人の従業員の立場は平等で、月給2500ペソ(約10万円)も職種を問わず同額だ。利益より雇用維持が目的で、組合員が亡くなると原則、その家族が後任になる。

 同国では01年末の経済危機で多数の中小企業が倒産。数百万人が職を失い、貧困率は一時5割を超えた。労働者を救う「回復工場」運動を広めたのがカーロさんだ。

 倒産企業の工場を政府が収用し、労働者が引き継ぐ――。政府に働きかけて、それが可能になる法改正を実現させた。まず政府から工場を借り、収益をあげてから買い取る仕組みだ。各地の工場を回って、失業しかけた労働者を励まして組合設立を呼びかけている。

 02年の倒産時、労働者はテントをはって経営者が機器を売らないよう24時間態勢で監視した。その間、カーロさんは裁判所や政府に収用を求め、4カ月かけて労働者による稼働を認めさせた。

 従業員の収入は以前の5倍になり、家を買う人もいる。全国で約70工場・8000人がカーロさんの運動で救われたという。

 カーロさんは語る。

 「人間の尊厳や、生活する権利は最も大切なもので、雇用がその土台。利益を追求する市場経済に任せきりだと、グローバル化がたやすく仕事を奪い、それらの価値が後退する。あらゆる手段で対抗する必要がある」

 法律指南だけでなく、労働者が「共同経営者」に踏み出すのを後押しするため何度も説得し、事業が円滑に動くまでは必要資金の支援もする。

 「ビジャ」と呼ばれるスラムで、木と段ボールをつぎはぎした家に育った。トイレはただの穴。水はバケツでくみに行き、電気は無断でひく――。そんな体験が労働者保護の道に導いた。海軍学校を出て船員になり、30代で大学で学び直し、弁護士になった。

 「連帯」「調和」「団結」が回復工場の三つの信念という。「一部の富める者にしか利益をもたらさないグローバル化の対極にある思想です」

●「連帯経済」広がる試み

 連帯経済の試みはほかにもある。廃品回収の協同組合「セイボ(アルゼンチン国花の意)」はブエノスアイレス中心部の住宅街で活動する。十分に教育を受けられずに就職できなかった若者や、経済危機で失職した中高年の計約50人が働く。

 景気が悪化した90年代後半、代表のクリスティーナ・レスカーノさん(53)らが路上のごみ拾いから始めた。収集量が少なく、住宅街を回って廃品を出してくれる家庭を開拓したところ、トン単位の取引ができるようになった。協力家庭は2千世帯以上に増えた。

 「もっと協力者を増やしてビジネスとして確立させたい。結果的に社会から排除された人々の安全網になれば」。レスカーノ代表はノウハウを全国に広げるつもりだ。

 国の経済は4年連続プラス成長だが、人口の3割は貧困層で労働者の4割強は非正規雇用だ。同市の国有地、空きビルの不法占拠住民は20万人とされる。かつての改革が生み出した経済弱者が生きのびるために身を寄せ合うのが連帯経済だ。

 政府は近年、NGOなど非政府組織も含め、こうした動きに補助金などの援助を始め、新たな「公助」の一角になればと模索する。ブラジルには支援部署もあり、米国流「市場重視」「小さな政府」路線に対抗するうねりにもなっている

情報リンク:朝日新聞

ベトナム投資をするならユナイテッドワールド証券安藤証券がおすすめ。

VISTAファンドを投資したいと考えている人は→VISTA投資ファンドの情報

0 件のコメント: