2007年2月21日水曜日

好景気で活況を呈するアルゼンチンの株式市場

■ポストBRICsの有力グループ「VISTA」の一角を占めるアルゼンチン経済は、2001年に深刻な債務危機に直面したが、2003以降は構造改革の成果などによって経済が急速に持ち直している。マクロ経済の水準はすでに危機前のレベルを取り戻している。2006年7~9月期の実質GDP成長率は、前年比+8.7%と9%近くの高成長を記録した。成長の内訳を需要項目別にみると、とくに実質GDPの65%を占める個人消費が好調となっており、06年7~9月期における実質個人消費の成長への寄与度は+4.7%となった。政府による貧困対策や好景気で雇用・所得環境が改善していること、消費者のマインドが上向いていることが個人消費の拡大につながっている。
 
■マクロ経済が好調に推移する状況下、株式市場も活況を呈している。ブエノスアイレス証券取引所の代表的な株価指数であるメルバル(Merval)株価指数の推移をみると、2003年頃から急速な勢いで株価が上昇している様子が分かる。2002年12月時点の株価指数は524.95ポイントであったが、直近では2081.53ポイントとなっており、わずか4年間で4倍の水準まで上昇した。なお、日本にはアルゼンチンの株式市場を対象にした単独の投資信託商品がないため、日本の個人投資家がアルゼンチンの株式市場に投資をする際には、アルゼンチンの銘柄が一部組み込まれた中南米ファンドなどによって投資をするのが一般的だ。
 
■アルゼンチンの株価は、中長期的な視点でみても上昇余地が大きい。アルゼンチン株を中長期で保有することを前提とした場合、株価はどこまで上昇していくのだろうか。いくつかの前提をおいてシミュレーションしてみよう。まず、株価の決定要因となる名目GDPの中長期予測を行う。名目GDPを総人口×1人あたりGDPに分解したうえ、人口は国際連合の将来推計人口(中位推計)、1人あたりGDPはロジスティック曲線に沿って推移していくものとして予測した。この名目GDPの将来予測値をもとに、メルバル指数の中長期的な推移をシミュレーションした結果によると、メルバル指数は07年から50年までの中長期のトレンドとして上昇傾向をたどることになる。とくに経済成長が加速する2030年以降の上昇テンポが著しい。さらに、アルゼンチン株をメルバル指数のインデックスで中長期にわたって保有した場合、保有期間によって株価が何倍になるかを計算すると、保有期間が20年の場合、株価は06年実績対比で約8.8倍になる。また30年の場合には19.4倍に、40年に及ぶ場合には37.6倍にもなる。アルゼンチン株投資を行う場合、短期的には大きな変動が生じる可能性があるが、中長期のスタンス
 で臨む場合には、先進国への株式投資に比べてかなりのハイリターンが期待できるといえるだろう。

情報リンク:Klug クルーク

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